いつの間にか損が膨らんでいませんか

いつの間にか雪ダルマ・・・

なんとなく、何の準備もせずにトレードしちゃっていませんか?

そしていつの間にか損が出て、そのままずるずると損切りできない、という経験はありませんか。

トレードで損切りできない理由はいくつもあります。

損切りしようとすると反転したらどうしようと思ってできなかった。
思っていた以上に急な動きだったのでタイミングを逃した。
自分が根拠にしていた強気材料がまだ有効だったので損切りしなかったが、
実は別のもっと大切な材料が出てきたのを見落としていた。

などなど、損切りのできない言い訳を山ほど聞いたことがあります。

そしてだいたいの人が、自分はメンタルが弱いから、と本質からずれた方向に解決策を求めます。

でも本当にメンタルの問題ですか?

準備、実行、後始末

「準備、実行、後始末」というのは、桜井章一さんの言葉です。

桜井章一さんは、人生で大切なことは「準備、実行、後始末」である、と言っています。
損切りできていない投資家は、まさにこの3つができていない、のです。

準備が一番大切

僕の経験上、大きく損を出すトレードは、自分のトレードでも部下のトレードでも、準備の部分で甘さが原因であるものがほとんどです。

準備不足だから必ず大きな被害を受けるというわけではないし、儲かることだってもちろんあります。
でもそこには将来の大損につながる要因が潜んでいる可能性があります。

大きな損失が出てから後悔するのですが、トレードで大きな損を出したり、損切りが遅れたりということが起こるのはやはり準備が甘かった時なのです。

つまり、後悔先に立たず、ってやつです。

ですから、トレードの成否は、準備も含めトレードの前の行動が6割から7割、つまり半分以上だと僕は思っています。

事前にどれだけ用意して登山に挑むか

危険そうに見えるエベレスト登頂などの登山も、事前に周到な準備をしているからこそ冒険にチャレンジができます。

事前に用意をしているからこそ、大きなリスクも取れるし、何かの兆しを見ただけで危険だと認識して登山を中止する、という決断もできるのです。

天気図も見ず、今自分が見えている天気だけを見て能天気に山登りを始めてしまう、そんなトレードをあなたはしたことがありませんか。

トレードのためのシナリオを作るときにすべき5つのこと

トレードを実行する前にするべき5つのことを、想定シナリオを考えるという点からまとめてみました。

1、バラ色の未来だけを考えて終了にしない

株を買ったり、ドル円に投資したりするときには、もちろんマーケットが上昇するという考えがあるから買うわけです。

でも株価が上がるというバラ色の未来だけではなく、バラ色の未来と同じくらい真剣に株価が下がるという逆のことが起こるシナリオも同時に考えなくてはいけません。

ちょっとここで考えてみてください。

あなたが今の値段より上がると思っているその株を、今の値段で買うことができたのはなぜだと思いますか?

答えは、今の値段より下がると思っている投資家が売ってくれたから、です。
目先、誰もが確実に上がると思っている株は、売り手が出てこないのでストップ高になるはずです。
あなたがその株を買えたのは、誰もが確実に上がると思っていなくて、むしろ下がると思っている前の所有者がいたかならなのです。

自分の考えていることは唯一絶対ではなく反対のことを考えている人が存在すること、そしてその売り手の側にも当然株が下がると考える理由があること、にまずは思いを巡らせてください。

そうすれば自然と自分に都合のよいバラ色以外の未来を見るということもできるはずです。

2、想定シナリオは最低3つは用意しよう

マーケットは、上がるか、下がるか、横ばいか、という3つの局面が必ずあります。
上昇を大きな上昇、小幅の上昇などと分けていくこともできますが、最低限、少なくともその上、下、もみ合いの3つのシナリオだけでも、真剣に考えましょう。

どんなに鉄板で上がると思っていても、必ず下がることもあります。
また横ばいが続いて、焦れてしまって、諦めて手放したら上昇する、なんてこともあります。

シナリオを考えるときは、この3つはどれも起こりうると考えて、どれかに偏ることなくまずは考えましょう。

3つのシナリオの材料をそれぞれ検討したうえで、上昇する確率50%、横ばい30%、下落20%と考えるのであれば、その株を買えばよいだけです。

最初から上昇する材料ばかり考えていると、自分が正しいのか、取引相手が正しいのか、冷静な判断を下せません。

3、シナリオに時間軸をいれてみよう

短期、中期、長期で自分のシナリオは同じなのか考えてみましょう。
あなたがもし時間軸ごとに違うシナリオを持っているのなら、違う理由はなぜなのか、をぜひ突き詰めて考えてみましょう。

たいていの場合、短期は上がるが、中期的にもみ合って、長期では下がるのではないか、というように投資家は実は時間軸で異なったマーケットシナリオを考えていることが多いのです。

それを少し意識するだけでもトレードの質は変わります。

なぜなら、あなたがもし時間軸ごとに違うシナリオを考えているのであれば、何かのきっかけがあればマーケットが変わると考えているはずだからです。

つまり、自分の短期の想定が崩れるのはどういうときか、ということを考えて違う相場観になっているはずです。

時間軸で自分が考えているシナリオを見直すと、自分がマーケットが変化するとしたら何がきっかけになると考えているか、が見えてきます。

このきっかけと考えていることが起こったら一回ポジションをクローズするようにすると、自分の心の中から納得した材料で損切り、利食いができて心の負担も軽くなります。

でもたいていは事前にそう思っていたことをしっかりと認識していないので損切りができず、大きな損失を抱えてから自分はきちんと想定していたのにできなかった、と考えてしまうのです。

想定していたけれどできなかったことをメンタルの弱さのせいではなく、想定していたことをもう一段深く考えなかった結果でしかない、ということを一度考えてみてください。

また事前に時間軸ごとのシナリオをきちんと考えていないと、短期投資がいつの間にか長期投資にかわって塩漬け株になってしまう、ということをついやってしまうというパターンにも陥ります。

4、極端なシナリオもたまには考えてみよう

機関投資家がリスク管理の上で義務付けられている「ストレステスト」というものがあります。

リーマンショックのようなことが起こった場合に、どのくらい損益が見込まれるかを計測するものです。
株価が1日で10%から20%下がった場合でも会社は存続できるのか、というのがテストの目的です。

個人投資家であっても、そのような極端なマーケット変動があった時にどうなるか、ということは考えておきましょう。

別に20%下がっていくら損するということが問題なのではありません。

自分は、株を長期投資で持っていて、株価が20%下がってもそのまま持ち続けるし、特に実生活には影響ないよ、という方はまさにリスク管理ができているので、問題ありません。

問題は、20%下がった時に自分の生活に何か大きな影響があるか、ということです。

僕は現在専業でトレードをしているので、20%いきなり下がったら大きな影響が出ます。
ですからそのようなことが起こっても問題のないようにポジション管理をしています。

20%下がるなんてありえない、と思っている人ほど、そうなった時に不都合な現実がないか、と考えてみてください。

たいていの場合、金融商品はゆっくりと上昇し、一気に下落します。
ゆっくりと上昇する中で資産の中の株の割合を大きくしていたら、大きな下落が起こった、ということはよくある話です。

そもそも、リーマンショックの前に誰が日経平均が短期間で半分ちかくになると思っていましたか。
米国の同時多発テロが起こると事前に予測できると思いますか。
日本に住んでいる限りは、地震という自然災害リスクさえもあります。

極端なシナリオを描くことは、実はそれほど極端なことをしているのではなく、それなりに起こりうることの対策を考えることなのです。

また極端なシナリオを想像することで、通常の想定シナリオを作る際のヒントになることもあります。

中国の経済は大丈夫か、みんなが忘れたギリシャ問題ってどうなったんだっけ、などということは普段なかなか考えません。

でも、極端なシナリオを考えることで、そういった可能性の低いイベントも自分の思考範囲の中に入ってくるのです。

もしあなたが、想定外なことが起こると思考停止してしまったことがあったり、ちょっとしたマーケットの変動でもこんなはずじゃなかったと言って損切りが遅れたり、そういう経験をしたことがあるなら、週1回、月1回でいいので、極端なシナリオを想定することをお勧めします。

きっとあなたの投資に変化が出てくるはずです。

普段からどういったことが起こっても大丈夫ように頭の訓練をし、心の準備をしておくことは大切です。

5、マーケットでは想定外のことが起こって当たり前と認識しておく

4の極端なシナリオでも書きましたが、マーケットでは事前に想定もしていなかったことは簡単に起こります。

どんなに想定を尽くしても予想外のことは起こりうると肝に銘じておきましょう。

それは想定にないシナリオだけではありません。

自分の想定通りに動いても、必ずしも株価がその通りに動かない、ということもあります。

例えばあれほどみんなが恐れていたトランプ大統領当選は、結果が出てみると大方の想定とは逆に、株価上昇のきっかけとなり、米国の株価を安定させました。

もちろん、多くのストラテジストの言っていた通りに、いつかはトランプ大統領が引き金となり株価が低迷するかもしれません。

でもその予測とトレード成績は関係ありません。

トレードをしている限り、シナリオが当たっても株価が逆に動くこともあるし、思ってもみないシナリオが登場することもあります。

我々にできることは、自分を過信せずに、謙虚にマーケットに接することだけです。

そしてこの考え方は、僕の嫌いな「二元論」、の否定にもつながっていくものです。

損切りするには準備が必要です

トレードするなら登山家のように、どういったリスクが存在するのかを事前に検討し、ポジションを持った後は少しの予兆で危険と判断できるように、周到な準備をしておく必要があります。

周到な用意をして、リスクをコントロールするのがトレードです。

後からリスクに振り回されないよう、ぜひ事前の準備を忘れないでください。

 


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