北朝鮮のミサイルが世の中をにぎわしています。
この間は家族で北海道に行っていましたが、Jアラートで家族全員、朝6時からたたき起こされてしまいました。
何が起こったのかわからず、テレビをつけて、ニュースを見ながら不安を感じていました。

その後も北朝鮮のミサイル発射や挑発的な言動は続いています。
株価も一時は19000円割れもあるか、という場面もありました。

でも米国のVIX指数(VIX)や日本版VIXである日経ボラティリティ指数(日経VI)は歴史的に見て低い水準にとどまっています。
株価下落で一時的に日経VIも上昇したものの、それでも過去の平均値程度まで上昇したかどうか、というところです。

過去の平均的なマーケットは常に北朝鮮問題と同じくらいの問題を抱えていたということでしょうか。
そんなことはないですよね。

VIXだけではなくSkewも見よう

マーケットニュースなどを見ていると、VIXだけを見てボラティリティを語る自称株のプロが多くいます。

でもVIXだけを見ていても本当のマーケットの姿を見ることはできません。
なぜならVIXが表す数字はボラティリティの一面だけを表しているだけだからです。

CBOE Skew Indexという指数があります。

これもVIX同様にオプション価格から計算されるものです。
Skew Indexはコールとプットの需給がどのくらい歪んでいるかという指数です。

VIXとSkewを両方見ることで、ボラティリティを立体的に見ることができます。

VIXとSkewの両方を見ることで、今のマーケットがどのくらい下落リスクに恐怖を感じているかということがわかるようになります。

自分が言いたいのは、もっとこのSkew Indexを活用しよう、ということです。

そもそもVIXとは何か

よくVIXは恐怖指数と紹介されますよね。
でもなんで恐怖指数と呼ばれるのでしょう?

VIXはオプションのインプライドボラティリティを表す指数なので、マーケットが荒れてくれば高くなる指数です。

米国のSP500指数の上場オプション価格から算出されている指数です。
詳しい計算を知りたい方はCBOEのホームページにあると思いますが、細かい計算方法はトレードではいりません。

VIXの数字は現在から1か月の間、SP500がどのくらいの値動きをするとSP500オプション市場の参加者が予想しているか、という数字になります。

今から1か月の間、SP500指数に大きな変動があると思われていれば高くなり、大きな変動は考えにくいと思われていれば低くなるという指数です。

日経ボラティリティ指数(日経VI)とは何か

日経VIは日本版のVIXになります。

日経225オプションの価格をもとにして米国のVIX指数の計算方式にならって、日本経済新聞社が計算しているボラティリティ指数です。

こちらも現在から1か月の間、日経225指数がどのくらいの値動きをすると日経225オプション市場の参加者が予想しているか、という数字になります。

2017年9月現在の水準は

現在VIXはほぼ過去最低水準に近辺にいます。

VIXの過去データの平均は19程度ですが、2017年9月21日現在で9.67という数字です。
通常の値動きの半分程度しか値動きがないと予想されている、ということになります。

また日経VIも過去データの平均は20を越えていますが、2017年9月22日現在は13.66。
こちらも歴史的に見て非常に低い水準になっています。

でもだからと言って恐怖心はないですか。

北朝鮮の問題もあるし、米国ではトランプリスクやFRBの資産縮小の話もあります。

日米ともに高値圏にある株価に不安を感じていないことはないのにVIXや日経VIは歴史的に見て低い水準にある、というのが現在の姿です。

CBOE Skew Indexとは

CBOE Skew IndexとはCBOEが公表している指数です。

SP500のオプション市場から計算したプットがコールに対してどのくらい割高に買われているか、という数字になります。

理論的には100から150の間になるように設計されており、数字が大きいほどプットが割高な水準にあるということを意味しています。

下落リスクがあると、マーケットではプット買いの需要が大きくなり、コールに較べプットが割高状態になります。
マーケットでのコールとプットの需給の歪みを数値として表しているのが、CBOE Skew Indexというわけです。
縦軸は左の軸がVIX、右の軸がSkew Indexを表しています。

ボラティリティに需給はあらわれる

SP500 や日経225のオプションマーケットは非常に出来高も大きく、機関投資家から個人投資家まで幅広い投資家が参加しています。

個人投資家の中には日経リンク債という商品を買うことで意識せずにオプションマーケットに参加している人もいるくらいです。

その参加者が多数いるマーケットで、ある時は恐怖を感じてオプションが買われ、ある時はマーケットに対する安心感からオプションが売られます。

このオプション価格の水準を表す指標がボラティリティと呼ばれるものです。

そのボラティリティを一つの水準としてわかりやすく計算されたものがVIXや日経VIです。

ですからVIXが目先のマーケットがどのくらい荒れるとマーケット参加者が考えているかを表す数字として使われるわけです。

ボラティリティは一つではない

VIXや日経VIが表している数字はボラティリティの中のほんの一部です。

今から1か月間の値動きを1つの数字にまとめたものがVIXや日経VIです。

例えば今から3か月や1年の長期の動きや、株価下落の速さや株価がじり高するかどうか、といった情報はそこから読み取るのは困難です。

インプライド・ボラティリティは一つの数字ではなく、ボラティリティ・サーフェイスと呼ばれる一つの曲面としてとらえられるものです。

Skewと呼ばれるプットとコールの割高、割安をみることで、下値への不安や上値の重さをみることもできます。
また1週間先が満期のオプションのボラティリティと1か月間先が満期のオプションのボラティリティを比較することで、1週間以内にある経済指標の発表などのマーケットイベントがどのくらい不安感を持たれているか、ということを見たりすることもできます。

参考記事
ボラティリティについてまとめてみた

CBOE Skew Indexを活用しよう

コールとプットの需給と聞くと、プット・コール・レシオを思い浮かべる人が多いと思います。

しかしプット・コール・レシオはあくまで出来高の比率です。
もしかするとプットに大量の売りが出て出来高が膨らんでいることもあります。
たまたまプットにスプレッドでの取引が多くて出来高が2倍に見えているだけかもしれません。

前にも書きましたが、需給はボラティリティにあらわれます
そしてプットに対する需要の強さを見るにはSkewを観察することが一番なのです。

ただ通常ボラティリティのSkewを観察しようとすると、自分でボラティリティを計算したりする必要があります。

しかし米国のSP500 についてはそのSkewについて指数化されたものが開発されています。

それがCBOE Skew Indexというわけです。

CBOE Skew Indexを見るにははこちらをクリック

残念ながら日経225指数にはSkewに関する指数はまだありませんので、自分でモニターするしかないのが現状です。
しかしながら米国のSkew Indexを見るだけでもグローバルなマーケットの恐怖感をチェックするには十分です。

現在と2007年との相違

2007年にVIXが10を割り、その後サブプライムローンの問題などが徐々に表面化しマーケットは崩れました。

今年もVIXが10を割ってから、2007年との類似点をあげて暴落があるという論調の記事をいくつか見ました。

ここでSkew Indexを見てみましょう。

現在と2007年と違うのはSkew Indexが高くなっている点です。

2007年当時は、VIXが低くSkew Indexも低い状況でした。

これは、VIXが低い=目先は安全、Skewが低い=潜在的に危ないイベントは見当たらない、というのがマーケットコンセンサスだった、ということです。

VIX、Skewともに低いからこそ何かイベントがあると大きなサプライズが大きな株価下落につながるわけです。

ですから現在のマーケットはVIXは低いが、Skewが高い状況にあるので、ちょっとしたイベントは想定の範囲内と考えながら投資家はポジションをコントロールしている状況です。

2007年は浮かれて大きなロングポジションを投資家が持っていた様子がこのチャートからでもわかります。

VIXは目先の動き、Skewは潜在的な下落リスクを表す

VIXは目先のマーケットが動くかどうか、という指数です。
ですから確率が非常に低い危険なイベントは指数に反映されにくいものになります。

一方でSkew Indexは主にプットの割高感を表す指数になります。
ですから確率が低くても危険と思われるイベントに大きく反応します。

ボラティリティからマーケットコンセンサスを測るのであれば、VIXだけでは見えないものがあります。

VIXが低いからマーケットは能天気だ、と考えるよりは、Skewも同時に見ることをお勧めします。

コンセンサスが未来を表すわけではない

ひとつだけ気を付けなければいけないのは、VIXとSkewが高いからマーケットは荒れる、というわけではない、ということです。

コンセンサスは未来を表すわけではありません。

コンセンサスが安心感を持っているときにサプライズが起こるかどうか、ということがトレードでは大切です。

VIXもSkewも高い、ということはみんながマーケットに不安を持っているということです。
みんなが不安を持っているときは、ポジションを大きく持っているわけではないはずです。
ですから大暴落が起こるほど大きな投げが出る状況ではないわけです。

コンセンサスと違うことが起こるからマーケットは大きく動きます。

コンセンサスが下を見ているときに、良い材料が出ると大きな上昇につながります。
コンセンサスが上を見ているときに、悪い材料が出ると大きな下落につながります。

8割がたのマーケットはコンセンサスの通りに動きます。
その時のマーケットの動きは当たりやすいけれど動きも小さい。

マーケットでコンセンサスと違うことが起こった場合には、マーケットの動きは大きくなります。
でもそういうことはなかなか起こりません。

マーケットコンセンサスが崩れる時がいつか、ということは誰にわかりません。

そのあたりはマネーショートという映画を見ると痛いほどわかるのではないか、と思います。

まとめ

VIXが恐怖指数と呼ばれて久しいですが、低ボラティリティの状況ではあまり恐怖指数とは言えません。

なぜならVIXには確率低いイベントへの恐怖は反映されないからです。

確率の低いイベントに対する恐怖心はSkew Indexに現れます。

ボラティリティをマーケットコンセンサスとして見るときには、VIXだけではなくSkew Indexも一緒に見るようにしましょう。
そうすることでボラティリティを点ではなく線でとらえることができ、より深い考察ができるようになります。

コンセンサスは未来を表すわけではありません。
むしろコンセンサスが裏切られた時にこそトレードチャンスはあります。

ぜひVIXやSkewを使ってマーケットコンセンサスをつかみ、トレードに活かしてください。

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