1、オプションとは

オプションとは、「ある商品」を、「将来のある時点」に、「決まったある価格」で、「買う、もしくは、売る」権利のことを言います。

これだけだと何がなんだかわかりません。

例えば、「ある商品」を人気の高いバンドのライブチケット、としましょう。
1か月後に公演が決まっているこのライブのチケットは超人気で、定価5,000円で売り出されたのですが、すでにオークションなどでは2万円の値段がついています。

このバンドはなかなかライブを行わないので有名なので、ライブのある1か月後までの間にさらプレミアムがついて、今オークションで2万円のチケットが3万円、4万円と上がってしまう可能性も大いにありそうなのです。

一方で主催者側はオークションでのチケットの高騰は問題だと考えていて、追加公演を何回か行うことでこのチケット高騰問題を解決しようとしている、という噂も出てきました。
もしその追加公演が決定してしまうと、今2万円でオークションで売られているチケットはあっという間に定価の5,000円まで値段が下がってしまうと言っている友人もいます。

 

あなたは、どうしてもこのバンドのライブを見に行きたいので、どちらにしてもチケットを手に入れようと考えています。

問題は、今買えば2万円で手に入れることはできるけれど、ライブのある1か月後までに、

(1) なかなかライブをやらないバンドなので、さらに入手困難になり3万円、4万円とチケットの値段があがる可能性も高い

(2) もし追加公演が決まれば、1か月後の2万円のチケットを買わずに定価の5,000円でチケットを手に入れられる

という2つのシナリオがあることです。

追加公演がないとはっきりしていれば今2万円で買ってしまうのがよさそうですが、もし追加公演が決定したらと思うと買うのをためらってしまいます。

追加公演があると思って、今2万円で買うのを見送ってしまうと、もし追加公演がなかった場合にはチケットの値段は2万円からさらに上がることは間違いなさそうです。

この時、このチケット(「ある商品」)を、ライブのある1か月後(「将来のある時点」)に、今オークションで売られている値段と同じ2万円(「決まったある価格」)で、買う(「買う、もしくは、売る」)権利(オプション)を、1万円で売りましょう、という人がいたらどうでしょうか。

簡単に言えば、ライブの当日に2万円でチケットを買う権利を1万円で買う、ということです。
権利を買う、というのは、普段聞きなれない表現ですが、権利ですから、2万円で買ってもいいし、買わなくてもいいのです。

買うか買わないかは、権利の買い手がオプションとして決めればよい、ということです。

もし上の(1)のケースのように、追加公演がなくてチケットの値段が4万円まで上がっていたとしても、1万円出して買っておいた権利を使って2万円でチケットを買うことができます。
この時、チケット代金2万円とは別に権利を買うために1万円払っているので、3万円でチケットを買ったのと同じになりますが、4万円で買うよりはよかった、となります。

一方で、もし上の(2)のケースのように、追加公演が決定すれば、わざわざ2万円でチケットを買う権利を使わなくても追加公演のチケットを5,000円で手に入れられるので、権利を使わないで終了してしまいます。
この時、追加公演のチケット代金5,000円と、それとは別に権利を買うために1万円払っているので、結局1万5,000円かけてチケットを買ったことになりますが、オークションで2万円出してチケットを買うよりはよかった、となります。

結局、このチケット(「ある商品」)を、ライブのある1か月後(「将来のある時点」)に、今オークションで売られている値段と同じ2万円(「決まったある価格」)で、買う(「買う、もしくは、売る」)権利(オプション)を、1万円で買ったことにより、(1)、(2)のどちらのケースもオークションで2万円でチケットを買うよりもよい結果になりました。

ここで出てきたような「買う権利」のことを、「コールオプション」と言います。
(ちなみに「売る権利」の方は、「プットオプション」と言いますが、詳しくは次回やります。)

また、オプションの専門用語では、
何を買うかという「ある商品」のことを、「原資産」、
いつ買うかという「将来のある時点」のことを、「満期」、
いくらで買うという「決まったある価格」のことを、「権利行使価格」(英語で「ストライク」と呼ぶことも多い)、
とそれぞれ言います。

「権利行使価格」を上の例では今のオークションの価格2万円としましたが、「権利行使価格」は3万円にしてもいいですし、1万円にしてもいいですし、売り手と買い手の間で自由に決めることができます。
また「満期」もライブの日に合わせましたが、3日後でも2週間後でも、これも売り手と買い手の間で自由に決めることができます。

もし「ある商品」つまり「原資産」が株である場合は株式オプションと言いますし、「原資産」が日経225である場合は日経225オプションと言います。

株でも上の話を基本は同じです。

まずはオプションという商品の構造(「原資産」、「満期」、「権利行使価格」、「コールとプット」)を理解しましょう。