情報を「お金」に換える シミュレーション思考

「情報を「お金」に換える シミュレーション思考」 塚口直史

ファンドマネージャーが書いた世界情勢の見方、という感じの本です。

いろいろ肩書きが述べられていますが、ロシアからトレードしている、ということが一番の売りではないでしょうか。

丹念に日経を読んでいれば、同じような結論はでるものの、ここまで上手にわかりやすく解説している本や記事は初めて見ました。

きちんといろいろなことが整理されている、という点で非常に良い本です。

特に日経を読んでいてもあまり発想に出てこない、ロシアという観点からの話は著者ならでは、という話題で、参考になります。

地政学、歴史、金融の話

中身は多岐にわたっていますが、すべて投資を行う上でどういうシナリオを想定するか、ということに集約されています。

こういったシナリオ投資本は自慢話が多いものですが、この本はそういったことはありません。

そんなことわかっているよ、という内容であっても、一つ一つ丁寧に著者の思考をたどりながら読んでいくと、得るものは大きいと思います。

特に中国、北朝鮮、韓国、ロシア、中東、アメリカなどの歴史観や国民性をリンクさせて語るシミュレーション思考は見事だと思います。

自分も投資においてはシナリオをたててトレードしています。

この本ほど大きなマクロでの流れは重視しないので、思考法は違うのですが、非常に参考になりました。

特に現在の北朝鮮問題を考えるうえでは、自分の考え方とは別角度の考え方も多く語られており、自分のシナリオに少し修正を入れされてもらっていました。

著者は一つのシナリオ作成までにいろいろな試行錯誤を繰り返し、かつ、そのシナリオが違うと思う、もしくは投資結果が良くなければ、再びシナリオを練り直しているはずです。

またシナリオを複数持とう、という話も出てきます。

しかしこの本を普通に読むと、そのシナリオが説得力があるだけに、大きな絶対的なシナリオを作成することだけが投資の要諦だと思ってしまう読者もいるのではないかと思います。

説得力があるシナリオが必ず実現するわけではないことは著者も語っていますが、読み物として面白くできているので、読んでいてどうしてもそれが忘れ去られそうなところが怖いところです。

そこは心配ですが、非常におすすめできる良書です。

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